本の情報
革命のファンファーレ 現代のお金と広告著者 西野亮廣(敬称略)
▼本を読んで率直に感じたこと
基本的にはクラウドファンディングについての話と現代の「お金」と「信用」の関係について書かれてあるのでクラウドファンディングに興味のある方はもちろん、「お金」の感覚について、現代の日本で生活している人は一度読んでおいた方がいいであろう内容と思うのでおススメです。
▼本を読んで得られたもの
僕がこの本を読んで、興味深いと思った点であり、職場のみんなにも当てはまる(というかほとんどの職業に当てはまる)のでフィードバックしたいなと思ったのは二点。
一点目は西野氏の思考の順序。
普通の人は何か目標を決めた時に、目標に向かって一つずつ思考のコマを進めていくように考えるとおもいます。
しかし西野氏は(無論すべてにおいてではなく要所要所に感じたところだが) ゴーㇽからスタートに向かって戻ってくるような考え方をしているなと感じることろがあった。
極端な言い方をすれば
例えばメジャーリーグで活躍する大谷選手を見て「僕もメジャーリーガーになってホームランを打ちたい!」
と思ったとしたらほとんどの人が「バットを買おう」「教則本を買おう」「近所に野球教室はあるだろうか?」
と考えると思う。
ロジカルシンキング派な人であればバットも素材で特性が違う事や、教則本の筆者と自分の理想のプレイスタイルとの相性、野球教室の先生のキャリアや成績などまで思考をめぐらせるかもしれない。
だが西野氏の考え方でいうと
「チームも同じエンゼルスがいいかな?いやメジャーでの格式や日本の知名度で言えばヤンキースでは?」
「ヤンキースでプレーした日本人が多いのは何か理由があるのかな?」
「そもそも日本で打者としてどれくらいの成績を残せばメジャーから声がかかるのだろう?」
とゴールから一つずつ降りてくるような考え方をしているところがあって面白いと思った。
そして「バットを買う」「習う」「練習する」は『言うまでもない』であり
「己の高い技量」が大前提としての思考であるのも西野氏らしい(笑)。
この考え方の利点は一歩目の精度が上がるという点だと思う。
何か目標を決めた時に、そこにたどり着く見えない道は入り口も無数にあり、それぞれの道が途中で何回も、何本も枝分かれしている。
ほとんどの人がその中から、その時その時の選択を意識的にも無意識的にも強いられ、自分で選択し潜り抜けて行く。
しかしゲームなどで経験したことがある人もいるかもしれないが、
枝分かれや行き止まりが多い迷路でもゴールからスタートに向かえば行き止まりも枝分かれも少なく、簡単にスタートにたどり着くことが出来る。
それと同じようにゴールからスタートに向かえばまず自分が選ぶ道がどれであるか、そして最善最短でもっとも効率がよい道を選ぶことが出来る。
この考え方は色々なことに当てはまると思うので、とくに難解で行き詰るような問題こそ、一度考え方を180°変えてこの考え方で検証し直してみると道が開けることは大いにあるかもしれないと思った。
二点目は「情報の大切さ」である。
本書のなかで西野氏は
「現代でモノを売るなら、当然、現代人の動きを読まなければならない」と書いている。
これはすべての商売は売るべき相手がいる以上、これについて考えなければいけないし 「言われるまでもなく考えているに決まってるだろ!」と怒られるかもしれないが、 重要なのは「現代」というところである。
時代の流れは早い。
情報は溢れトレンドもあっという間に移り変わり、人の動きもお金の流れも目まぐるしく変化する。
そんな中でマニュアル的に、形式的に「そういうものだ」で行っている仕事がどれだけあるだろうか?
毎回制作の流れで行っていること、確認事項のマニュアルはもう何年使い続けているだろうか?
そのやり方は、その基準は、その回数は本当に現代の売るべき相手に対応しているだろうか?
それを考えることは現代においてとても大切なことだと思う。
そしてその答えとなる情報は溢れているのだ。
となると努力不足と言われても何も言い返せない。
西野氏は本の中で出版業界の現状に対しこう熾烈な言葉を残す。
『需要を事前に知れる時代に、需要を事前に知る努力をサボり、延々と博打を続けている出版業界』
「分からないから動けない。」
「博打だから思いきれない。」 これが勘違いであることを西野氏は言う。
僕も何度も耳にした事のある「動けないのは勇気がないからだ、勇気を出して踏み出そう。」 これに対し西野氏はこう言う。
「踏み出す勇気はいらない。必要なのは『情報』だ」 動けないのは勇気がないからではない「情報」が足りないのだ。
確かに我々が子供の頃に一人で乗れなかった電車に一人で乗っているのは乗り方を覚えたからだ。 勇気で乗ってる訳ではない。買い物もタクシーも勇気で使っている訳ではない。
情報があれば予測がつく。
検討してデータを取れる。
どうなるか分からない博打でなく、勇気も必要なく安心して動ける。
動けないのは情報を収集する「努力」が足りないのだ。
西野氏は
「行動しない人間はアホである」と書いている(笑) いかにも西野氏らしい表現だと思う。
勇気で、一か八かで恐る恐る一歩を踏み出すのではなくて ガンガン情報を収集して安心して確実にガンガン行動しよう。
つまりは「努力をおこたるな」ということであろうと思う。
耳が痛いが正論と僕も思う。
最後に西野氏が引用していた僕も好きな王貞治氏の言葉を残す。
「努力は必ず報われる。報われない努力があるとするなら、それはまだ努力と呼ばない。」
本日の担当はNでした。