営業を科学する。と帯に書いてあり興味が湧きまして書店にて手に取り購入しました。
営業や商談は、人と人の対話で行われるものです。
話術や雰囲気づくり、プレゼンテーションなどあらゆるテクニックが詰め込まれています。
全く実践できない私からすると、テクニックを巧みに使い、営業される方を私は尊敬しています。
トップ営業の方が書かれた本ということで読みましたが、営業時だけでなく私の本業でもあるディレクションにいかせる事もたくさん書いてありました。
この本を読むことで、ズレに気づいて解消する営業力を身に着ける知識がつきます。
ズレというのが、営業担当と購入者の間におこる情報ギャップのことと定義されています。
情報ギャップがズレたままだと不満にかわり受注へ結びつかない、と書いてあったのですが、私が制作時にディレクションをやっているときにも起きうる事だと感じました。
私がディレクションを行っていて公開日に間に合わない制作ペースの時に、もちろん前もってクライアントへ理由と解決策を相談します。
もし相談しなかったとしたらどうでしょう。
情報ギャップが生まれ間に合わないと発覚した瞬間に不満に変わります。
どこで力をいれるか
営業の話しに戻ります。
案件・商談は3つにグループ化し自分のリソースをどのくらい投入するかを決めるそうです。
- 楽勝…誰がどうやっても受注
- 接戦…競合もいて受注できるか不明
- 惨敗…競合に価格も強みも負けている
自分のリソースはどこに力を注ぐかというと、接戦です。
トップ営業マンになるには接戦を簡単に落としてはいけないということです。
もし私が専門の営業マンだったら性格的に惨敗のところで時間を労していそうだと思いました。
接戦をどう制するか
3つの質問で制することができるそうです。
- 接戦状況を問う
- 決定の場面を問う
- 裏にある背景を問う
具体的な例文などは実際の本を読んでいただければと思います。
接戦かどうか気づく感度や、どの瞬間に決定するのかといった予測などの精度は経験により上がっていくそうです。
失注したからといって情報をムダにしない成長の仕方なども学べます。
確かに得体のしれない何かにおびえ、競合状況や決済時期などを先方の社長に尋ねるのは躊躇するかもしれません。
ただ、質問をし続けることによって感度や精度があがっていきそうです。
ディレクションをはじめたころも、この質問はしてもいいのだろうか?など今振り返ってみると余計なことを考えていました。
プロジェクトの事を考えると尋ねるべき事は尋ねるべきです。
前提としてBANTCHは確認すべきで、上記の3つさえ確認できていればいいというものではありません。
BANTCHとは、英語の頭文字でそれぞれ、
B予算
A決裁者
Nニーズの抜け漏れ
Tスケジュール(検討)
C競合
H人員体制
といったことは最低限確認するべきだそうです。
今までの人生で考えたこともなかった内容で、営業の方はすごいなと再認識しました。
少し心理学的な話しに近いですが、商談中に提案を行うと決定者は認知的不協和に陥るので、そのタイミングでどんな情報を追加すると決めていただけるのかといった、勝ちパターンへ持っていく話しなどもあり、読んでいて全編が本当に面白い内容です。
ズレは4つの力で解消!
ズレを解消する4つの力は、
- 質問力
- 価値訴求力
- 提案ロジック構築力
- 提案行動力
となりますが、ルート型なのかアカウント型なのか営業の2つの型によりPDCAのまわし方が変わります。
詳細は本で確認してください。
質問力、土台づくりの3つの「きく」
切り込む聞く、深堀する聴く、具体化する訊くといったひとくちに「きく」と言っても内容が変わります。
価値訴求力
4つの象限にわけ、縦軸は「情報価値」横軸は「機能価値」。
ジョハリの窓で、共感レベルがあがる相手の盲点となる価値ある情報は何かを探ります。
提案ロジック構築力
認知的不協和はロジックで解消可能です。思考力が必要になります。
提案行動力
ハイパフォーマーは、レスの早さや周囲の巻き込むまでの早さが素晴らしいです。
すぐやる、ということ。
あとは「10ミニッツ営業」という手法が書かれていましたおり、さっそく導入していきたいと思いました。
具体的になにをするかは本を読んでください。
まとめ
といったように、どうやってズレを解消するか日々どうやって営業力を高めていくかがまとめられた1冊となっています。
自分が物を買うとき、売り込む相手の真理などの描写などが非常に楽しい本でした。