■本の情報
漫画 君たちはどう生きるか著 吉野源三郎
漫画 羽賀 翔一
(敬称略)
■この本を読んで率直に感じたこと
今年に入ってから書店やネットでオススメの本としてよく1位に出ているのを目にし、気になっていました。
漫画と文章を組み合せて書かれており、漫画だけで伝えるには難しいことも1区切りごとに文章を使って丁寧に補足されているため大変読みやすかったです。
物語はたくさんの経験をしていく主人公のコペル君(本名:潤一君)に叔父さんがその経験から、色々なことを考えさせ気づかせるようなものとなっています。
深いテーマを扱っていますが、コペル君のような思春期を迎えた悩み多き時期の人はもちろん、大人になった方にも何か響くものがある1冊です。
▼本を読んで得られたもの
「ものの見方について」という文章の中にこんな一文がありました。
=====引用=====
「自分たちの地球が宇宙の中心だという考えにかじりついていた間、人類には宇宙の本当のことがわからなかったと同様に、自分ばかりを中心にして、物事を判断してゆくと世の中の本当のことも、ついに知ることができないでしまう。」
=====引用ここまで=====
私はこの言葉を読んだ時、なるほど!と気づかされたことがありました。
それは自分たちの、ある確立された思考に対して流されるままの思考・視点(見方)をしているだけではいけないなということです。
自分で当たり前と思いこんでいることはもちろん、日本にとどまらず世界中でこうだ!と言われていることも、
- 自分たちが中心であるという思考を捨てなければいけない
- それはなぜそう考えられているのか
- 疑問点はないか
様々な思考・視点(見方)をすることで、常識とされていることが明日にはまったく違う方へと覆っていることもありえる、ということを改めて考えさせられました。
本書では地動説と天動説が例としてあげられていましたが、この例だけに限らず、現代のあらゆるものに対して意識していきたいです。
他にも、ナポレオンやゲーテなどの偉人のエピソードや名言を織り交ぜながらたくさんの気づきを与えてくれる内容となっています。
様々な話が進んでいった本書の最後は、「君たちはどう生きるか」という問いかけで締めくくられています。
最後まで、自分自身で考え、自分自身で「決定していく力」の大切さが伝わってくる1冊でした。
そして主人公がなぜ「コペル君」というあだ名で呼ばれているのだろうというあだ名の由来に対しての疑問も読み進めていくと、そういうことか!とスッキリしました。
以上、オススメの本の紹介でした。