Design Boost in Fukuoka -2026 Summer-に参加しました!

こんにちは、デザイナーの有馬です。
6月24日(水)に開催されたデザインセミナー「【デザイナーの市場価値をブーストする】Design Boost in Fukuoka -2026 Summer-」に今回も参加させていただきました。 前回の様子はこちら

Design Boost in Fukuoka -2026 Summer-
https://db2026-summer.peatix.com/

プログラム概要

  • モヤっとした仕事がなくなる。
    クライアントを先導するデザイナーの「正しい問い」の立て方
  • そのAI活用、クライアントに説明できますか?
    Adobe Community Expertが語る、AI採用・不採用のロジック
  • 「Design is Dead」の、その先を話そう
  • デザインツールを開く前に。
    その画面は誰に何と言わせたいのか?
    受託UIデザイナーが顧客解像度を高める「現場の確かめ方」

定番となってきたセミナーですが、今回はマーケティングやブランディングの内容もあるためか、UIデザイナー、インハウスデザイナー、ディレクターさんなど幅広い方が来られていた印象でした。

恒例のAdobeグッズがもらえるじゃんけん大会も!今回も非常に大盛り上がりでした。(※じゃんけん大会は毎回必ずあるわけではないそうです)

モヤっとした仕事がなくなる。クライアントを先導するデザイナーの「正しい問い」の立て方

講演者:林 航平(Thinka Studio株式会社/Aida株式会社)

クライアントから「成果を出してくれ」と言われるのは、クライアントワークにおいては当然あるものですが、成果が出なかった時、「広告運用が悪い」「Webサイトが悪い」などという話に当然なってくると思います。

しかし、その認識は本当に合っているのでしょうか?

①この業界に顧客はいるのか?
②プロダクトはちゃんと売れるか?
③ターゲット設定は的確か?
④価格訴求は的確か?
⑤Webは機能しているか?

林さんは①から順に原因を探していき、実はWebの機能に問題があったのではなく、ターゲット設定が間違っていたと判明した事があったそうです。

確かにWebサイトや広告運用で売上を上げるという役割はありますが、いつでも必ずそこに原因があるとも限らないので、成果が出ていない=Webが機能していない、という考えを鵜呑みにしてはいけないというお話でした。

そのAI活用、クライアントに説明できますか?Adobe Community Expertが語る、AI採用・不採用のロジック

講演者:たそがれ。(ハラモト ユリ) / HAUNT WORKS STUDIO
続いては、Adobe Community Expertのたそがれさん。AI採用・不採用の実例を紹介していただきました。

AIの使用について、法律的には問題なくても、ユーザーの反感を買い炎上・取り下げになるケースは今や珍しい事ではありません。AIへの抵抗感を持つユーザーが一定数いる以上、使う場合は慎重にならなければいけない——この話には、私も共感しました。

たそがれさんは、クライアントとの間でAIの話題が出た時には使う事によるリスク面をきちんと説明されるそうで、クリエイターとしてもとても尊敬します。

現代では誰でも気軽に絵が描けたり、音楽が作れたりと、クリエイティブへの敷居が下がってきています。そのためクリエイターへの配慮が欠けている制作物に対してユーザーが敏感になっているというのは、私もSNSを見ていて強く感じる事です。

AIを使うか使わないかという極端な話ではなく、なぜ使うのか言葉で説明できる事が重要だというお話でした。

「Design is Dead」の、その先を話そう

講演者:お塩さん / 株式会社ライトライト

私は今回初めて知りましたが、「Design is Dead(デザインは死んだ)」というのは、デザイン業界で定期的に繰り返されてきた言葉で、そこにFigmaが「何度死んだと言われても、デザインは生きている」という逆説的なメッセージを発信し話題になったフレーズだそうです。
今AIが盛んになっているので、ネット上でも似たような反応はよく見かけますね。

事業承継マッチングプラットフォーム「relay(リレイ)」でプロダクト開発をされているCDOのお塩さんは、2024年グッドデザイン賞を受賞されています。
relay(リレイ)は、日本全国各地の後継者募集をサポートするサービスです。
https://www.g-mark.org/gallery/winners/25316?years=2024

お塩さんが取り上げたのは、地域密着の老夫婦が営む、人のぬくもりが感じられるお店でした。

事業承継では通常「ノンネーム」と言って企業名を出さないというのが業界ルールとなっていましたが、実際に売却価格・店舗の売上などの数字だけが羅列されたデータをお塩さんが見た時に、「このお店の魅力が感じられない」というモヤっとした感覚があったそうです。

ノンネームがルールとなっているのには、もちろん理由があります。
企業名が公開されてしまうと、その事業が売却されようとしている事が世間に知れてしまい、株価が暴落したり、風評被害が出たりなど様々なリスクがあります。
そのため同業の人に相談した所、「ありえない」と全否定されてしまったそうです。

しかし、お塩さんが実際に店主さんに話を聞きに行ったところ、株はなく、従業員も娘さんがいるだけで、風評被害なども特に心配いらないとのこと。

前例はなく、もちろんデータもない、業界からは全否定された。

だけど、モヤっとする。

そしてお塩さんは、このモヤっとした自分の感覚を大事にすることを決意。
「ノンネームがあるなら、オープンネームもあって良いんじゃないか」と、事業名を公開するという前代未聞の決断をします。

すると、ノンネームでの成果が8%だったのに対して、オープンネームでの成果がなんと20%に上がったそうです。

言語化する事、数字で表す事が重要視される現代において、お塩さんが大事にしたのは「言語化できない感覚」でした。もちろん、感覚だけで突き進めばいいという話ではありません。「セオリー通りで良いのか?」と疑う気持ちを持つ事、その大切さを改めて考えさせられた講演でした。

デザインツールを開く前に。その画面は誰に何と言わせたいのか?受託UIデザイナーが顧客解像度を高める「現場の確かめ方」

講演者:がりゅてんさん / 合同会社CGFM

最後は受託UIデザイナーのがりゅてんさん。
講義で使われたスライドはSNSでも公開されており、目から鱗なとても面白い内容なのでぜひご覧ください。
https://x.com/Garyuten/status/2069832493184995496

とあるBtoB業界特化型のECサイトのリニューアル打ち合わせで、がりゅてんさんが「顧客解像度が一番高い人は誰ですか?」と聞くと、営業成績トップの方が現れ、自らペルソナと購入にいたるまでのストーリーを立ててくれたそうです。

そこでがりゅてんさんは、「では実際にそのシーンを演じてみてください」と、声に出して演じてもらった所、営業の方は「この流れだと買わないな」と言ってくれたそうです。

さらには、演じる事でクライアント側の「ここはこうした方がいいのでは?」「ここは違うのでは?」という検証レビューが自然と始まったのだとか。

ペルソナや仮説を頭で組み立てるだけでなく、実際に演じる事でユーザーの心理をよりリアルに想像でき、解像度が一段上がる。そんなお話でした。

まとめ

今回の講演を通じて改めて感じたのは、データや前例を大切にしながらも、それだけを鵜呑みにしない判断軸を持つことの重要さです。
私も業務の中で提案を行う際には、小さな疑問や違和感があれば周りの人に相談したり、提案出来るようになれるように意識していければと思いました。

AIの活用ひとつとっても、なぜ使うのか、なぜ使わないのかを自分の言葉で説明できるかどうかが問われています。情報が溢れる時代だからこそ、自分の違和感や感覚的なものも手放さずにいたいと感じた一日でした。

貴重な時間をありがとうございました!

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