第2回 モリサワセミナーに行ってきました。

フロントエンドのNです。

先日、モリサワさんのセミナーに参加してきました。

表題は「2020年に向けた 情報アクセシビリティの向上」です

2020年という年

2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。
そして前年の2019年にはラグビーワールドカップ、翌2021年はワールド・マスターズゲームと立て続けに世界で大きなスポーツの祭典が開催される奇跡の3年間としてゴールデン・スポーツイヤーズと呼ばれています。

世界中の人が一堂に会する機会がそれだけ多いという事で近年重要視されてきているのがアクセシビリティです。

アクセシビリティとは簡単に言えば「わかりやすさ」、「使いやすさ」、「利用しやすさのことです。
例えばわかりやすいのが

こういうピクトグラムと呼ばれる絵文字ですね。これは言葉が通じない国の人にも伝わります。
こういうデザインをユニバーサルデザインと言います。

ユニバーサルデザイン(Universal Design/UD)とは、文化・言語・国籍や年齢・性別などの違い、障害の有無や能力差などを問わずに利用できることを目指した建築(設備)・製品・情報などの設計(デザイン)のことである。

参照:ウィキペディア

このUDもアクセシビリティにつながります。
他にもバリアフリーなどもそうですね。
これからの国際化社会、高齢化社会に向けてアクセシビリティは重要な課題となっていきます。

「フォント(書体)についてももっとアクセシビリティの向上を目指していきましょう!」

というのが今回のセミナーのテーマです。

UD(ユニバーサルデザイン)フォント

情報発信の目標とは
それをみてもらい → 理解してもらい → 行動してもらい → 次に繋げてもらう。
という流れが主になってくるかと思います。
まずは見てもらわなければなりません。

見てもらうための発信メディアも「紙」「web」「SNS」などがあり、現在ではだいたいこれらをセットで発信することが多くなりました。

そして情報発信源が増えるのに比例して情報過多になりつつあります。

ユーザーにとって膨大なる情報をすべて受け止めることはできません。
自ずと自分の欲しい情報だけピックアップしていくようになります。

そこでピックアップして貰うためのアクセシビリティ(近づきやすさ。利用しやすさ)の向上が必要になります。

紙媒体

近年、紙媒体が再評価されつつあるそうです。その理由としては

  • 発信元がわかりやすい。
  • 管理しやすい
  • 信頼できる。

などがあげられようです。

そんな紙媒体にとってのUDとは紙の構成要素である「文字・写真・図版・色・余白」などへの配慮になりますが、人間における情報の入り口は「目が80%強」と言われます。

情報の入り口として文字と色がとても重要になってきます。

これはwebに於いても言えることです。
どんな人が見ても見やすく、入りやすく、利用しやすい。
そういう文字と色を選ぶ必要があります。

色においても人によっては見え方が異なります。
色覚障害や色弱の方にも配慮した色使いをしなければなりません。
よく、強調する文字を赤色で表示したりしますが、色弱の人にとって赤は読みにくい薄さになります。
なのでフォントのウエイトを太くしたり、アンダーバーを引く事で強調を伝える事で誰にでも強調のニュアンスを伝えることができるようになります。

自分が読めるから相手も読めるとは限らない。
それを作り手は忘れてはいけません。

書体

書体においてもより「読みやすさ」「分かりやすさ」「間違えにくさ」を求めて作られたフォントがあります。

それが「UDフォント」です。そのまま「ユニバーサルデザインフォント」と読みます。

モリサワさんの作成した

  • BIZ UD明朝
  • BIZ UDゴシック
  • UDデジタル教科書体

はMicrosoftの最新OSに標準バンドルされるようになりました。

これはMicrosoft社がUDフォントを「現代の標準」と認めているといえます。
「普通に使う時代が来た」と認めたといえます。

UDフォントは
文字の形が分かりやすい
   → 例えば「ば」と「ぱ」が見ずらかったりした経験はないでしょうか?
     そういう可視性の悪かった部分に配慮したデザインになっています。

文字が読みやすい
   
→ UDフォントは従来のフォントよりも一文字に対する
     面積が大きく字が大きくなっています。明朝は濃くなっています。
     また、漢字とかなの大きさに少しリズムがつけてあることで
     読みやすくなっています。

読み間違えにくい
   
→ UDフォントには余計な装飾が少なく手書きに近いので
     直感的に認識できます。
     横棒の太さも修正され、光がまぶしかったり、
     かすれたりしてもしっかり読み取れます。
 

書体には役割があります。

  • 明朝体 (上品・読ませたい):週刊誌など、長い文章(本文)で使う
  • 角ゴシック(力強い・訴求したい):タイトル(見出し)
  • 丸ゴシック(優しい):見出しなど

またフォントは解像度で見え方も変わりますし、同じ書体でも紙とwebでは見え方が違います。

フォントサイズや行間でも読みやすさが大きく変わってくるので注意が必要です。
紙媒体では決まりはないですが本文サイズは10.5pt(14px)が主流のようです。
名刺の住所とかは6~7ptあたり。行送りは1.5~2、行間は半分~1倍。

文字間に関しては、本文はべた(そのまま)、見出しは詰めるのが基本のようです。

ふさわしい箇所にふさわしい書体で見やすく、読みやすく間違えにくいフォントで
翻訳しやすい優しい日本語を選び、どんな人にも伝わる色使いでデザイン、webサイトを作る。
それだけでアクセシビリティがだいぶ向上すると思いますので、意識してみて制作に望んでいただければと思います。

リクトでもよりアクセシビリティに配慮したデザインを作れるよう、努めていきたいと思います。

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