フロントエンドのNです。
先日「Webアクセシビリティの学校 in 福岡」を受講してきましたので
なるべく難しい言葉を使わず、僕なりに噛み砕いたレポートを書こうと思います。
講師はインフォアクシアの植木 真さんです。
全国でアクセシビリティの講師としてセミナーを開催されています。
先日開催された青森で購入された銘菓「なかよし」がおやつとして机上に置いてありました(笑)
植木さんの話はとても面白くて、長時間のセミナーであっても飽きずに聞くことが出来るので内容に集中でき、理解力を保てるセミナーでした。
さて、内容についてですが、
ウェブアクセシビリティと聞くと「ウェブにおける障害者対応」というようなイメージを持たれるかも知れません。
僕もそう思っていました。
ですが今回このセミナーを受けて「アクセシビリティは障害者の為だけではない」ということに気づかされました。
ウェブアクセシビリティはどんな人でも快適にサイトを利用できる為のUIを準備することです。
今や誰もがウェブを利用しています。こんなに便利なものは使わない訳にはいきません。
それは障害者の方にとっても同じことです。
しかし、アクセシビリティの低いサイトでは障害者の方は思うようにサイトを利用できない事があります。
一口に「障害者」と言っても、
- 目の悪い方
- 耳の悪い方
- 手の悪い方
など、色々なケースが考えられます。
その全ての人がwebを使えるようにサイトに備えるべき項目を纏めた規格があります。
それが日本工業規格「JIS X 8341-3」です。
目の悪い人は機械が画面を読み上げてくれる「スクリーンリーダー」を利用します。
なのでそのリーダーが読み上げる情報を準備しておかなければ目の悪い方には情報が得られないサイトになってしまします。
耳の悪い方にはテロップが必要です。動画などに字幕を入れてあげる事で情報を得やすくなります。
マウスが使えない人の為にキーボードだけで操作が完了するようにしなければいけません。
などのように障害者の方に対応できるように準備すべき情報や設定を
「どのように」「どの基準で」設定するか明記してありますので
サイトを作る際に規格を遵守しているかを確認しながら製作します。
ここで大切なことは
- 目の悪い
- 耳の悪い
- 手の悪い
というのは障害者の方だけに限らないということです。
目が悪いというのは一時的にも起こりうる現象です。
目を怪我することは誰にでもありうることです。暗い場所や明るすぎる場所など、環境によって視界が悪くなる事もあります。
耳が悪くなくても周りが騒がしかったりすると聞き取りづらいこともあります。
逆に周りが静かだと音を出しづらいと言うこともありえます。
マウスを持ってくるのを忘れてしまう事も考えられます。
そしてもう一つ考えられる
webサイトの使用が困難なケースが高齢者です。
高齢になれば目は悪くなっていきます。老眼にもなります。
耳も遠くなっていきますし、体の自由もだんだんと効かなくなります。
高齢者にとってもネットの利用はだんだんと難易度が上がっていくものなのです。
このように、アクセシビリティを考慮することは障害者の方のためだけでなく、
高齢者や色々な環境・状況にある全ての人にとってwebを使いやすくなる事に繋がると言えます。
だからこそ全てのwebサイトにアクセシビリティは確保されるべきなのです。
植木先生からは、
「これだけは設定しておくべきアクセシビリティ確保 基本の『キ』」
を紹介していただきましたので参考までに記しておきます。
1:ページの内容が分かるページタイトルを記述する
ページタイトルは、どのようなウェブページなのかが分かる文言になっているか?
2:見出しやリストなどの文書構造をマークアップする
見た目だけではなく、適切な要素を用いて文書構造や意味をマークアップしているか?
3:リンクテキストは、リンク先が分かる文言にす
リンクテキストだけで、ユーザーがその場でリンク先へ移動するかどうかを判断できるか?
4:情報を伝えている画像に代替テキストを提供する
画像の代替テキストは、画像と同等の情報を過不足なく提供しているか?
5:情報を伝える色の使い方に注意する
色のコントラスト比を確保していて、色の違いが分からなくても情報が伝わるか?
6:ユーザーがコンテンツを拡大表示できるようにする
文字サイズを標準の200%まで拡大しても、コンテンツの閲覧や操作に支障はないか?
7:キーボードだけでも操作できるようにする
ウェブコンテンツは、マウスやタッチだけでなく、キーボードだけでも同じように操作できるか?
8:フォーム・コントロールのラベルや説明をマークアップするる
コントロールのラベルや入力方法、入力例をコントロールの要素と関連付けているか?
9:エラーメッセージではエラー箇所と修正方法を明示する
ユーザーがエラーメッセージを読んで、どのように修正すればよいかを理解できるか?
10:動画にキャプション(字幕)を提供する
ユーザーが動画の音声を聞くことができなくても、コンテンツを理解できるか?
「アクセシビリティを実装する」と言うと「仕事が増える」と考えがちですが、
今おこなっている作成の手順の中にも書き方を少し変えるだけでアクセシビリティが向上する方法というのもたくさんあったのでまずはそこから始めようと思いました。
障害者差別解消法 × 超高齢社会 × 2020
日本は正解一の長寿国です。
今後も高齢者が増えていく社会です。
そして2020年はオリンピック・パラリンピックが日本で開催されます。
今後、世界的にも日本のアクセシビリティ対応が注目されるのは間違いありません。
リクトとしてもあらゆる人に楽しんでもらえるサイトを作っていきたいと思います。