福岡県によるベトナムオンライン商談会に参加してきました

新型コロナウイルスの影響により海外渡航が困難となっているため、IT・ソフトウェア関連の福岡県内企業に対し、ベトナムの企業とオンラインで商談するイベントが開催されました。

今回、弊社は2日間で9社のベトナム企業と話をする機会をいただきました。

どの会社も数十名~数百名のエンジニアを抱え、設立10年以内で数百名規模に成長している企業も珍しくないようです。

また、ベトナム国内より、欧米やアジア、特に日本での売り上げ比率が高く、日本支社を開設している企業も多くありました。

そのため、今回の商談会は先方の担当者が日本語を話せる方ばかりで、通訳の方もいらっしゃいましたがほぼ担当者の方と直接日本語でのコミュニケーションが図れました。

どの企業も拡大&成長を続けているイメージで、AIやIOTと言った最新テクノロジーが絡む開発・研究も積極的に行っているようです。

オフショア開発とは?

ソフトウェアの開発業務を海外の事業者に委託・発注することをオフショア開発と言います。

情報通信業において日本企業の40%以上が、オフショア開発を導入しているというデータもあります。

では、私たちとベトナム企業がどのような形でパートナー契約を結ぶかというと、主に二つの契約形態があります。

ひとつは、請負契約で作業工数により費用が決定し、成果物の納品を約束してもらう契約です。

そしてもう一つは、ラボ型開発で、こちらは時間単位での契約となるため先方の技術者を弊社のリソースとして数ヶ月間稼働してもらう、リソース保証型の契約となります。

仕様がしっかりと決まっているシステム開発は請負契約との相性がよく、仕様変更や追加発注が前提の開発案件はラボ型開発が向いています。

弊社ではオフショア開発の経験がないため、特に気になる点として、納期、コスト、クオリティ、コミュニケーションの4つの項目について確認させてもらいました。

  • 納期:Webサイトのコーディング業務等では弊社の制作工数イメージからは若干余裕のある納期提示をしてくる企業が多かった印象です。
    ちなみに、日本とベトナムの時差は2時間なので、日本で10時のときベトナムは8時です。ベトナム企業は8:30始業というところが多いようですので、時差の面ではあまり気になりません。
  • コスト:基本的に日本国内より開発コストは抑えられるケースも多いようですが、小規模開発だとメリットが出しにくいようです。実際に案件が進む際は、エンジニアだけでなくコミュニケーターとして、日本語が話せるブリッジSEと呼ばれる役職の方もチームに加わります。そのため、想定工数に対するエンジニアの人月単価だけでなく、ブリッジSEの費用も必要となってくるため、複数のエンジニアが関わるような中~大規模プロジェクトとの相性がいいようです。
    なお、今回開催を主導いただいたジェトロ(日本貿易振興機構)さんのサイトで、各国の給与や家賃といった地域データ比較表も公開されていますので、興味のある方はご参考ください。
  • クオリティ:クオリティについてはエンジニアの能力だけでなく、商習慣や文化の違いからどうしても簡単に超えられない壁を感じました。とくにデザイン面についてはその国々での流行や感覚の違いから、あまりお勧めできないといわれる企業さんも多く、基本的に日本国内で作ったデザインデータをもとに開発した方がスムーズに進みそうです。
    また、誤字脱字も含めて、依頼側でのチェック機能をしっかりと持たせる必要があるため、目に見えない社内コスト・リソースとしてこの辺りも考慮しておく必要がありそうです。
  • コミュニケーション:今回お話しいただいた担当の方々とは、問題なくコミュニケーションをはかることができました。実際は案件稼働時に担当いただくブリッジSEの方とも相性もあると思いますので、この辺りは実際に取引してみないとわからないところでもあります。

商談会に参加してみての所感

先述のとおり、弊社ではオフショア開発の経験がありません。

そのため、伝え聞いていたこれまでのイメージについて、直接先方企業と話をすることでより具体的に理解を深めることができました。

商談前のイメージとしては、クライアントワークのリソース確保で協力いただけないかと考えていましたが、弊社の場合、クライアントワークよりも自社のツール・サービス開発でお世話になった方が相性がいいように感じました。

オフショア開発について深く知ることができましたので、メリット、デメリットを考えながらお取引できればと考えています。

今回は大変貴重な機会をいただき福岡県、ジェトロ、商談いただいたベトナム企業の方々に感謝いたします。

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