デザイナーのうえつです。
みかんは、好きですか?
同じ色の中に同じ色のものがあると「同化してわからなかった!」なんてことありますよね?
本日も色についてお話ししていきたいと思います。
さっそくですが、八百屋で果物や野菜がこんなネットに入った状態を見たことはありませんか?
なぜ野菜や果物は色のついたネットに入っているのでしょうか?
実は、「同化」という効果を使って、あることを実現しているからです。
実物より、鮮やかな色のネットを使って、実物がより鮮やかに見える。
実物より、明るい色のネットを使って、より実物が明るく見える。
オクラもみかんも鮮やかで新鮮に見えますね!
にんにくは、白くて綺麗ですね。
同化とは?
同化とは、ある色に別の色を挿入することで、ある色が挿入された色に近付いて見えること。
同じ色なのに、他の色の影響を受けてしまうということですね。
グレイの四角に黒と白の背景を引いてみましょう。
また、黄色の四角の下に赤と緑の背景を弾いてみましょう。
図を見ていかがですか?
同じグレイなのに、黒を引いたグレイが濃く、白を引いた四角のグレイが明るく見えませんか。
黄色は同じ色なのに、赤の線を引くと黄色が赤みを帯びているように見えませんか。
同化には- 色相同化
- 明度同化
- 彩度同化
色相同化
2色ある場合、1方の色相につられて、もう片方の色相の色に寄ってくる。
太い幅の赤の帯を、左右で見比べてください。
左半分が、黄色の細い線の色の影響を受けて、黄みを帯びた色に。
右半分が、紫色の細い線の色の影響を受けて、青みを帯びた色に。
ただし、影響を受けているだけで、両方とも、もちろん同じ色です。
明度同化
2色ある場合、
明度の低いものにつられて、暗く見える。
明度の高いものにつられて、明るく見える。
太い幅の茶色の帯を、左右で見比べてください。
左半分が、肌色の細い線の色の影響を受けて、明るい茶色に。
右半分が、こげ茶色の細い線の色の影響を受けて、暗い茶色に。
ただし、影響を受けているだけで、両方とも、もちろん同じ色です。
彩度同化
2色ある場合、
彩度の高いものにつられて、鮮やかに見える。
彩度の低いものにつられて、くすんで見える。
太い幅の黄色の帯を、左右で見比べてください。
左半分が、薄い灰色の細い線の色の影響を受けて、はっきりしない色に。
右半分が、濃い黄色の細い線の色の影響を受けて、くっきりした色に。
ただし、影響を受けているだけで、両方とも、もちろん同じ色です。
さあ!八百屋に行ってみてください。
白いネットに入っているにんにくは、白い色に影響されて、もとの色がより白く見える「明度同化」の効果を使っています。
オクラとみかんは、濃く鮮やかな色のネットを使って、もとの色をより鮮やかに見せている「彩度同化」を使っています。
同化を意識することでデザインに活きてくる!
同じ色なのに、こんなに見えかたが違うとは・・・といった感じですが、デザインを扱う仕事場でも、クライアントから指定の色を絶対使いたいと言われた時、その指定された色をいかすもころすもあなた次第です。
より美しく、また視認性も考えて、組み合わせの色を選びましょう。
またクライアントより、AとBの色がいいという組み合わせの指定があった場合、
「この組み合わせはお互いに同化して暗く見えますよ。」
「つまり目立ちませんよ。」
という知識と他の提案があれば、クライアントも納得の美しいデザインがバシッと決まるかもしれませんね。
また、自分の目を信じて、同じ色として絶対使うのではなく色を調整して「同じ色に見える」ように寄せる配慮も必要ですね。
ではまた、色のお話をしたいと思います。